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院長ブログ

ペットの「吐く」には2種類ある! ”吐出と嘔吐”の違いとは?

季節の変わり目で体調を崩すことが多いのではないでしょうか。

体調不良の症状でも多く見られるが、「吐くこと」です。

愛犬・愛猫が突然食べたものや胃液などを吐いた姿を目の前で見ると、心配になりますよね。 実はこの「吐く」には”吐出”と”嘔吐”という2つの種類があります。

では、その違いとはどのようなものなのかご紹介します。

 

吐出と嘔吐の違いとは

吐出

吐出とは、食べ物が胃に入る前に逆流して吐き出された状態のことをいいます。

食べてからわりとすぐに起こるため、内容物はほぼ未消化のフードで吐き出した物を食べてしまうこともあります。巨大食道症や食道の異物が原因のケースもありますが、吐出の原因で多いのはごはんを短時間で一気にたべてしまう、いわゆる早食いです。

吐出した後、いつも通り元気であればあまり心配する必要はありません。

ただ、頻繁に吐出する様なら食事の方法を変更してみるのも良いかもしれません。

  • 早食い防止の食器を使用
  • 食事の回数を増やすなど、食べ物を一度にたくさん飲み込ませない工夫が必要です。

早食い防止の食器は沢山の種類があるので、その子に合った物を選んでみてくださいね。

 

嘔吐

嘔吐とは、胃や腸の中のものを吐き出すことをいいます。

吐く前にはそわそわ歩き回る、よだれや口の周りを舐めるといった前兆がみられたりします。

また、胃や腸へすでに移動した食べ物が逆流するため、腹筋に力が入り体力を消耗します。

動物は四足歩行のため、私たち人間より比較的よく嘔吐しやすいです。ですが、愛犬・愛猫が吐くのを目の当りにして、不安にならない飼い主さんはいません。

だからこそ緊急性が高い嘔吐のポイントを知っておきましょう。

 

~嘔吐した際のチェックポイント~

嘔吐物の見た目や臭いなどの特徴からある程度嘔吐の原因や対処法が考えられるため、嘔吐物はすぐに処分せずよく観察してみましょう。嘔吐物の写真を撮っておくのもおすすめです。

嘔吐した内容物

  • 透明や白い泡・黄色い液体 →空腹で胃液を吐いた可能性
  • 茶色の嘔吐物 →まだ形のあるフードであれば嘔吐ではなく吐出かもしれません
  • 薄いピンク色~鮮血あるいは赤黒い → どこからか出血している可能性
  • 異物が混ざっていた→誤飲・誤食をした可能性

嘔吐物が赤っぽい時や異物が混じっていた時は緊急性が高いため、すぐに病院に連れてきてください。

嘔吐した状況(回数や頻度)

回数や頻度が多い・嘔吐が長期間続いている場合は、病院を受診することをオススメします。特に若齢や高齢な子では体力があまりなく、嘔吐をくり返すことで脱水を起こしやすいため、なるべく早めに病院を受診してください。

また、吐いている時の様子を確認することも、ポイントになってきます。

吐きたそうなのに吐けないのか、水を飲んでも吐いてしまう場合は消化管の閉塞などを起こしている可能性もあるので、吐いていないからと言って安心してはいけません。

嘔吐した後の様子

嘔吐した後、いつもと変わらず元気な場合は少しお家で様子を見ても良いかもしれません。

ただ下痢をしている、食欲がない、ぐったりしているなど、嘔吐の他にも症状がある場合は病院を受診することをオススメします。

 

嘔吐の原因

胃腸炎や膵炎

胃腸炎では嘔吐と同時に軟便や下痢が起こることも多く、慢性的に胃腸に炎症が起こっていると、下痢や嘔吐がだらだらと続くことがあります。

急性膵炎では、激しい嘔吐や食欲不振、腹痛といった典型的な症状がみられます。

誤飲誤食

嘔吐した中におもちゃの破片や消化できないもの、フードやおやつ以外のものが含まれていたら注意が必要です。吐き出しても体内に残っていて腸閉塞や中毒症状を引き起こすおそれがあります。例えば、チョコレートを食べてしまうと嘔吐や下痢・神経症状、ぶどうは嘔吐だけでなく急性腎不全を引き起こす危険があります。

これら以外にも中毒を引き起こすモノは多く存在するので注意が必要です。

感染症

子犬・子猫で注意したいのは、パルボウイルスやアデノウイルスなどの感染症です。

特にパルボウイルスは激しい下痢や嘔吐を引き起こすので、体力のない子犬・子猫にとっては非常に危険な感染症です。

これらの感染症は混合ワクチンである程度予防ができるため、しっかりワクチンを接種することが大切です。

胃拡張・胃捻転症候群

特に胸の深い大型犬で起こりやすい病気です。

胃にガスがたまって吐きたそうにしているのに吐けないぐったりしている、お腹が張っているなどの症状がみられます。食後に発症する場合が多く、処置が遅れると命にかかわるおそれがあるため、食後すぐのお散歩や激しい運動は控えるようにして下さい。

 

食べ過ぎや空腹などにより生理的に吐くことが多くありますが、嘔吐には危険な病気が隠れていることもあります。病院を受診するか迷った際には一度ご相談ください!

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