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お薬の種類別!お薬の与え方のコツ
病院で処方されたお薬をご自宅で与えるときに”与え方が分からない”、”うまくあげることができない”とお困りになっている飼い主さんが多くいらっしゃるのではないでしょうか?
また、お薬といっても1種類ではなく、様々な種類があるため与える方法は一つとは限りません。
そこで今回は、お薬の種類別に与え方のコツをいくつかご紹介させていただこうかと思います。
お薬の種類について
①錠剤 ②カプセル ③粉薬 ④シロップ
お薬は目的ごとに最も効果が発揮できる形状でつくられており、 大きく分けて4種類に分類されます。
- 錠剤:お薬を圧縮して固めた物
- カプセル:溶け出す時間の調節が必要なお薬をゼラチンの容器(カプセル)に入れた物
- 粉薬:お薬を粉状にした物
- シロップ:お水にお薬の成分を溶かし、甘く味付けした物
一般的に処方されることが多いお薬が、①錠剤と②カプセルです。ただ、人間と同じように錠剤を飲み込むのが苦手な子には③粉薬にして処方することもあります。
上手にお薬を与えるコツ!
錠剤、カプセルの場合
- フードに混ぜる
シンプルな方法ですが、最初からお薬の入ったフードを与えると警戒されてしまうので、まずはお薬なしでフードをあげるのがポイントです。
※フードのみ→お薬入りフード→フードのみの順番で与えると疑われにくいです!
他にも、ウェットフードを団子状にしてお薬を中に詰めたり、サツマイモやささみなどの好きな食べ物と一緒にあげたりするのも効果的です。
- 投薬補助おやつを利用する
フードや好きな食べ物に混ぜてもお薬を上手に見つけてしまう子にオススメです。
当院では”お薬ちょーだい”や”ちゅーるポケット”などを販売しています。お薬ちょーだいは粘度が高く簡単にお薬を包めますし、チーズ味でお薬の臭いに気づきにくいです。そして、ちゅーるポケットは中が空洞になっていてお薬を簡単に隠せます。
粉薬、シロップの場合
- 少量のウェットフードに混ぜる
全量では無く、少量のフードに混ぜるのがポイントです。万一、途中でお薬に気づいて食べなくなってしまうと、どれくらいお薬を飲めたか分からなくなるからです。少量のフードを食べ終えたら残りのフードも褒めながらあげてください。残りのフードを見せながら与えると、早くオカワリがほしい!とお薬に気が付かず食べてくれます。
- 投薬補助おやつを利用する
先ほど紹介した”お薬ちょーだい”と一緒に練ることで、お薬に気づかず食べてくれます。また、普段からお薬の入っていない投薬補助おやつをあげることで、投薬を楽しいおやつタイムだと錯覚させることができます!
- ペースト状にして上あごや歯茎に塗りつける
水や蜂蜜などで粉薬を練ってペースト状にしたものを上あごや歯茎に塗ります。苦いお薬の場合は、味の濃い物や甘みの強い物をオススメします。
うまくお薬を飲んでくれない時
フードやおやつと一緒にあげてもお薬を食べてくれない時は、直接口に入れて投薬する方法があります。食欲がない子にも効果的ですが、暴れてしまう子や口周りが触れない子は難しいことがあります。
錠剤、カプセルの場合
- 犬歯のすぐ後ろの隙間に親指と人差し指を入れて上あごを持ち、鼻先を少し上に向けます。
- もう片方の手で薬を持ちながら、残りの指で口を開けてお薬をのどの奥に落とします。※その際、手前過ぎると舌を上手に使って吐き出してしまいます!
- 口を閉じてのどを優しく撫でます。※のどがゴックンと動いたり、鼻先を舐める仕草が見られたらお薬を飲めた合図です!
粉薬、シロップの場合
- 粉薬は少量のお水に溶かして液体にして、スポイトやシリンジに吸っておきます。
- 顔を少し上に向けてしっかりと持ちます。
- 歯の後ろにシリンジを差し込み、飲み込んでいるのを確認しながら少しずつ流し込みます。※正面からだと横から液体がこぼれ出てしまいます!
投薬するときの4つの注意点
①食べ物との飲み合わせ
食べ物の中にはお薬と一緒に飲むと、お薬の効果を弱めてしまったり、逆に強めてしまったりすることがあります。飲み合わせが大丈夫か、不安な時は一度ご相談ください!
②お薬の形状を変えない
錠剤を割ったり、カプセルの中身だけを与えたりするなど形状を変えてしまうと、お薬の効き目を下げてしまうことがあります。そのままの形状で与えるのが難しい場合は、他の形状に変更できることもあるので、1度ご相談くださいね。
③誤嚥
誤嚥とは、胃に入る物が間違って気管や肺に入ってしまうことです。誤嚥してしまうと、咳が止まらない、肺炎や呼吸困難につながる恐れがあります。お薬を飲ませる時には注意が必要です。
④お薬を飲んだ後はお水を飲ませましょう
特に錠剤やカプセルは食道などにひっつきやすく、ひっつくと食道炎を引き起こす可能性があります。積極的にお水を飲むように促してくださいね。
さいごに
お薬を与える時に、飼い主さんが緊張したり、力んでいると動物は感づいて警戒してしまうので、リラックスして普段通り接するよう心がけましょう。
飼い主さんが苦労することが多い投薬ですが、色々な投薬方法を知っておくことで飼い主さん、動物ともに負担を軽減することができます。
嫌がる子に無理矢理お薬を飲ませると、トラウマになったり、ケガをしたりする恐れがあります。普段から口を触るようにしたり、口を開けたりするなどの練習をしておきましょう。
決して無理はせず、投薬が難しい時は病院で投薬することもできるので、気軽にご相談くださいね!