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猫のワクチンで予防できるウイルスについて解説
当院の猫のワクチンは3種ワクチンです。
感染症にかかると命の危険にさらされることもあります。
感染症はウイルスや細菌などの微生物が猫の体に侵入して増え、悪さをしてしまう状態です。感染症には軽いものから重いものまで様々な症状がありますが、ワクチンをすることで感染リスクを低くすることができます。
3種類混合ワクチンで予防できる感染症は下記の3種類になります。
- 猫汎白血球減少症(パルボウイルス)
- 猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)
- 猫カリシウイルス感染症(カリシウイルス)
今回はこれらの感染症について解説していきます。
パルボウイルス感染症
猫汎白血球減少症(パルボウイルス)とは、非常に強いウイルスで、環境中で数ヶ月生存し、洗剤やアルコールでは死滅せず、次亜塩素酸ナトリウムやホルマリンでしか死滅しません。
感染経路
接触による感染を引き起こします(人間の手、経口、経鼻、経結膜)
潜伏期間は2~10日間ほどです。
パルボウイルスの症状
- 多くは軽症、無症状
- 白血球数は4000/μL以下に降下:リンパ球減少が起きたら致死的
- 最初は発熱
- 嘔吐、下痢が出る子もいる
血液検査では特に白血球の減少がみられます。
PCR検査
治療:白血球が少なくなり、色々な病原体に対する抵抗力が一時的に低下します。
治療は、このような抵抗力が低下する時期を点滴や抗生物質で支え、その間に猫自身が
ウイルスに打ち勝てるようにします。ただ、不幸にして助からない猫もたくさんいますので
ワクチン接種は非常に重要です。
ヘルペスウイルス感染症
猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)とは、体から離れてしまうと自然消滅する比較的弱いウイルスです。
ただ、一度感染すると神経細胞に隠れてしまうので、体の中に居着いてしまいます。
そして、ストレスや免疫が落ちる状態になった時に症状が再発します。
免疫力の弱い子猫や若い猫が罹り食事や水が摂れなくなると衰弱死することもあります。
感染経路
接触による感染を引き起こします(空気感染はしません)
感染源は感染猫の涙、唾液、鼻汁
潜伏期間は3~4日間程度です。
ヘルペスウイルスの症状
病理発生
- 急性期はくしゃみ、眼鼻分泌液
↓ - 二次感染がない限り感染後12日で症状消失
↓ - ウイルスを持ちながら症状を出さず持続的に感染している状態(キャリアー)になる
PCR検査
治療: 予防としてワクチン接種
感染源との接触を絶つ
症状が出た場合は、対症療法(症状に合わせて治療)
カリシウイルス感染症
猫カリシウイルス感染症(カリシウイルス)とは、ヘルペスウイルスよりもやや強いウイルスなので消毒には次亜塩素酸ナトリウムやホルマリンが必要です。
感染経路
接触による感染を引き起こします(人間の手)
感染源は感染猫の涙、唾液、鼻汁
潜伏期間は3日間程度です
カリシウイルスの症状
いろいろな症状を引き起こします。
- 口の中に潰瘍を作るもの
- 鼻水やくしゃみなどの鼻気管炎を起こすもの
- 肺炎を起こすもの
- 腸で感染しいて症状を出さないもの
一度感染すると回復した後も生涯ではありませんが、ウイルスを排出するため周囲の猫への感染に注意が必要です。
PCR検査
※確定診断を希望される場合
治療:予防としてワクチン接種
症状が出た場合は、対症療法(症状に合わせて治療)
まとめ
感染症には軽いものから重いものまで様々な症状がありますが、予防接種(ワクチン)をすることで感染リスクを低くすることができます。
愛猫の健康を守るために、必要なワクチンを接種しましょう。
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