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予防接種

【猫のワクチン】状況によって打つべきものについて解説

猫のワクチンには、必ず打つべきものと、状況によって打つべきものがあります。

今回は、状況によって打つべきワクチンの二つである猫白血病ウイルス感染症(FeLV)と猫エイズウイルス感染症(FIV)について解説します。

これらのウイルス感染症は、猫の免疫力を低下させ、様々な慢性的な病気や合併症を引き起こします。

感染してしまった場合、感知することはとても難しいため、予防が重要です。

 

猫白血病ウイルス感染症(FeLV)とは

特徴

FeLV感染症は「白血病」の名前が入っていますが、白血病だけでなく、色々な病気の原因になります。感染・発症した場合、残念ながら完治することは難しく、ほとんどが3-4年以内に亡くなってしまいます。ただし、感染した年齢によってウイルスの感染状況は大きく変化します。

FeLV感染症に感染しても、状況によっては諦めることはありません。
寿命を全うしたりすることもあります。

感染様式

血液中・唾液中にウイルス存在。尿や排便中にも少ないがウイルス存在します。
外出した場合、特にケンカをした場合は要注意です。

症状

貧血(非再生性貧血)
白血球の異常(好中球減少症、汎白血球減少症様症候群)
白血球の異常に伴い起こる細菌感染
免疫介在性疾患、繁殖障害
*貧血や白血球の異常がある場合は必ずFeLVを疑い検査が必要です。

診断

抗原検査
→感染初期にはウイルス抗原が検出されないので、暴露可能性の最終日から4週間(28日)経ってから検査

外出しないのに陽性の症例

再検査を繰り返す。偽陽性の可能性あり(1ヶ月毎)
2回連続で陰性が出たら感染は終結と考える
陽性後、3-4ヶ月後も陽性なら持続感染と診断
*持続感染の定義:感染から4ヶ月間経っても陽性
抗原検査の他にも、蛍光抗体法やPCR検査なども検査方法としてはあり、状況によっては追加で検査を行うこともあります。

治療方法

FeLV感染症に特別な治療はありません。

インターフェロン製剤(免疫を助ける薬剤)、抗生物質、対症療法(症状に対した治療)

予防方法

感染猫との接触を断つこと、外出させないこと
ワクチン接種で100%予防できるわけではないので生活環境が重要です。

注意点

陰転した子では1年間注意。再活性の可能性があるのでストレスは与えない。
特に妊娠は絶対させないこと。

 

猫エイズウイルス感染症(FIV)とは

特徴

FIV感染症は猫同士の接触によって感染するウイルス感染で、様々な慢性疾患を起こします。

感染様式

咬まれて感染

症状

  • 急性期 :感染から2ヶ月で抗体陽転(絶対に陰転はしない)
    症状は軽度発熱、周期的好中球減少症、リンパ節腫大
  • 無症候性キャリアー :臨床症状が消失した時期(免疫が抑え込んでいる時期)
    持続期間は平均2-4年かそれ以上
    キャリアーから発病するのは年間18%程度
  • 持続性全身性リンパ節症 :ウイルスが活動し始めた時期(リンパ節が腫れる)
    持続期間は2-4ヶ月
  • エイズ関連症候群 :慢性疾患を認める
    慢性口内炎、慢性上部気道感染症、慢性化膿性皮膚疾患、不明熱、
    体重減少、軽度から中程度の貧血など
  • AIDS:後天性免疫不全症候群
    顕著な削痩、貧血あるいは汎血球減少症、日和見感染や腫瘍

診断

6ヶ月齢以上の猫で抗原検査を実施する (FIVワクチン接種で陽性が出るので注意)
→最終判定は暴露最終日から60日後に検査をする
6ヶ月以降の検査で陽性が出た場合は、1ヶ月後に再検査

治療方法

FIV感染症に特別な治療はない
インターフェロン製剤(免疫を助ける薬剤)、抗生物質、対症療法(症状に対した治療)

予防方法

感染猫との接触を断つこと、外出させないこと
ワクチン接種で100%予防できるわけではないので生活環境が重要です。

 

まとめ

今回のブログでは猫白血病ウイルス感染症(FeLV)と猫エイズウイルス感染症(FIV)について解説しました。上記の説明通り感染した場合、完治することは難しいので、予防が最も大切です。

①感染した猫と接触しないこと。外出させると噛み合うリスクが高まるので、室内飼いにすることをおすすめします。

②ワクチン接種を検討すること。ただし、ワクチン接種で100%予防できるわけではないので生活環境が重要です。

③感染した子にはストレスを与えないように気をつけること。特に妊娠は絶対させないこと。感染した子は他の猫に感染させないように隔離することも必要です。

猫の健康を守るためにも、ワクチンに関する正しい知識や予防方法を身につけましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。